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第10話 熊野灘からの生還

  • 広報委員
  • 10 分前
  • 読了時間: 2分

◆ 艇名 ラッキー スワロー( 岡崎造船パイオニア11(37フィート))


 艇名由来 幸運のツバメ。悪天候の海上でも目的地に到着する運の良い燕。  


◆艇種 

◆ストロングポイント バウとスターンが細く、ミッドが太い船体。波切りが良く、荒波にも叩かれない。バラスト比が高く驚異の粘り腰。


◆ウイークポイント 今の所,無し。


2025年11月6日、熊野灘を北東へと波を切り裂きながら機走していた俺達のヨットは、突如として鈍い震えを発した。


次の瞬間、船は不自然に失速し、海中を漂っていた1本のロープがプロペラに絡みついた事を悟った。荒れた海は、無情に船体を揺さぶり、潮騒は不吉な太鼓のように響いた。


航行不能・・・広い海の真ん中で、孤立無援の言葉が脳裏をよぎる。


漂流か?・・すぐさま自主救助組織BANへ救助を要請すると、尾鷲港から一隻の渡船が荒海を押し分けて現れた。


薄曇りの空を背景にその船影はまるで海の戦士のように見えた。


だが、本番はここからだった。

うねりが二隻を翻弄し、曳航ロープは張り詰めた弦のように悲鳴を上げ、ついには3度も断ち切られた。

夕陽が沈み、藍色の闇が海を覆う。


灯台の明かりだけが頼りの世界で、俺達は歯を食いしばりながらロープをつなぎ直した。

渡船の船長の声が風を切り裂き、互いの覚悟を確かめるように響く。


長い闘いの末、ついに尾鷲港の灯が視界に浮かんだ時、胸に広がったのは安堵と深い感謝だった。


荒海との死闘を乗り越え、俺達はようやく緊急避難の岸へたどり着いたのだった。





次のお話は・・・ CLIMB( Okazaki 33 Deck Saloon )さんにお願いします。

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